音楽と言葉の不思議なつながり 〜発音が上手な人が多い理由?〜
- ACM日本支部
- 3月14日
- 読了時間: 4分

アメリカで、日本語がわからないピアノの先生が、生徒が日本語を話すとわかると、ちょっとぎこちない発音で「コンニチィワーァ!」と元気に挨拶してくれることがあります。
すると、生徒は少し照れながら、日本語の正しい発音で「こんにちは」と返します。そんなやりとりを何度か繰り返すうちに、先生は「…発音が違ったかも?」と気づきます。そして次に会ったときには、ちょっと得意げに「コンニチハ!」と流暢に挨拶してくれて、思わず「上手!」と感じるほどになっていることもよくあります。
アメリカでは、英語以外の言葉を話す子もたくさんいて、こうした小さなやりとりを通じて、先生も生徒もお互いの文化を楽しく学んでいきます。
また、日本からの留学生の中には、小さい頃から楽器を演奏していた子が、16歳でアメリカに留学すると、日本でずっと英語を勉強してきた同世代の子たちよりも発音が自然で驚かれることもあります。
これらのエピソードをお話ししたのは、音楽を長く続けていると、自然と音をしっかり聞き取る力が育ち、そのおかげで言葉の発音も上手になるのかもしれない…と感じている方もいるのではないかな、と思ったからです。
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音楽を学ぶ人は、外国語の発音が上手になりやすいのかな?と思うことが時々ありました。そこで、その理由について、いくつか考えてみました。
ひとつは、音楽を学ぶことで、音程やリズムの違いを敏感に聞き取る力が自然と鍛えられることです。この力が、外国語の細かい発音の違いを正確に聞き取る助けになっているのかもしれません。
また、言葉にはそれぞれ独特のリズムやイントネーションがあります。
音楽を学んでいる人は、こうした違いを直感的に理解しやすいため、外国語の発音もより自然になりやすい、という考え方もあります。
実際に、英語のリズムやイントネーションを身につける方法として、先生が手を叩きながら単語を発音する練習を取り入れることもあります。音楽のレッスンを受けたことがある子どもたちにとっては、親しみやすい学び方のひとつかもしれませんね。
そして、実際に音楽で培った「口や舌の動きを意識してコントロールする力」を活かして、音楽大学を卒業した方の中には、スピーチセラピーなどを通じて、サポートが必要な子どもたちと医療現場で関わる方もいます。
音楽を通じて身につけた発声や発音のスキルが、音楽を超えて、言葉の発達を助けるサポートにもつながるのは、とても素敵なことだと思います。
また、楽器を演奏する人は「耳で聞いて真似をし、それを繰り返し練習する」ことに慣れています。これは、言葉を学ぶときの「聞いてまねる」「繰り返し口に出す」といった学習方法とよく似ていますね。音楽と語学、どちらも「音をしっかり聞いて身につける」ことが大事なのかもしれません。
特に、楽器を演奏する子どもの中には「耳コピ」が得意な子もたくさんいます。(楽譜を見ずに、音を聞くだけで曲を再現できる子もいます。)
保護者や先生の立場からすると、「楽譜をちゃんと見てね!」と言いたくなることもありますよね。でも、いつの時代も耳コピが得意な子や、それを楽しむ子がいるのは変わらないものです。音を聞いてすぐにまねできるのも、子どもたちの素敵な才能?楽しみ?遊びの延長??のひとつかもしれませんね。
耳コピは細かい音の違いやリズムの変化を正確に聞き取る力があるからこそできることです。同じように、外国語を学ぶときも、耳で聞いた発音やイントネーションをそのまま再現する事が得意な人が多いのかもしれません。
音楽を学ぶことで言葉を覚える力が伸びることもあると言われています。特に発音については、その効果がよく表れることがあるようです。
そうは言っても、これは「語学の勉強法ですよ!」という話ではなく、「楽器を学んだ人って、発音が上手な人が多い気がするなぁ」という、ちょっとした経験談のひとつです。だから、難しく考えずに、「へぇ、そんなこともあるんだ!」くらいの気持ちで、気になるところだけ楽しんでもらえたら嬉しいです。
そして、米国ギルド・ピアノ検定試験に関わるACM米国本部の関係者……最近、とても流暢に日本語で挨拶をしてくれます。どれくらい上手かというと、Google Translateがしっかりと認識してくれるレベルです。
ちょっとした発音の違いもキャッチされるので、「おぉ、すごい!」と思わず感心してしまいます。
今日も前向きに子供たちと前進中です⭐︎
米国ピアノ指導者団体
ACM日本支部
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