遊び心いっぱいのピアノ練習 〜 アメリカ発・バーナムピアノテクニックとは?
- ACM日本支部
- 3月16日
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バーナムピアノテクニックは、アメリカのピアノ教育者エドナ・メイ・バーナム(1907–2007)によって開発された初心者向けのピアノテクニック教材です。教本の中の「棒人間」に個性的なお絵かきをする子供、たくさんいますよね。
エドナ・メイ・バーナム(Edna-Mae Burnam, 1907–2007)は、アメリカの作曲家であり、ピアノ教育者としても活躍した人物です。彼女が作った「バーナムピアノテクニック」は、世界中のピアノ学習者に親しまれ、特に初心者向けの導入教材として広く使われています。
1907年にアメリカ・カンザス州で生まれたバーナムは、幼い頃からピアノを学び、音楽への情熱を持ち続けました。大学でピアノと作曲を学び、卒業後はピアノ教師として多くの生徒を指導する中で、「もっと楽しく、効果的に基礎を身につけられる方法はないか?」と考えるようになります。
昔のピアノの練習といえば、ハノンやスケールのような指のトレーニングが主流でした。しかし子どもたちにとっては、同じ動きを繰り返すだけの練習はどうしても退屈に感じてしまうもの・・・
バーナムは子供たちは指の練習が退屈に感じてしまうことが多い・・と気がつき、さらに、ハノンやスケールのような伝統的な練習は、確かに指のトレーニングにはなるものの、子供にとっては単調(同じ動きを繰り返すだけの練習)で飽きやすいもの。どうしても退屈に感じてしまう子供たちのために彼女は、「もっと楽しく、自然に手や指の動きを身につけられる練習方法はないか?」と考えました。
さらに、生徒が短い時間でも集中して取り組めるように、シンプルでわかりやすいエクササイズが必要だと考えたバーナムは、短くて楽しい練習曲に「遊びの要素」を取り入れた新しい教材を作ることにしました。こうして、短くシンプルなエクササイズに、動きやイメージを連想しやすいタイトルをつけた「バーナムピアノテクニック」が誕生しました。また、棒人間のイラストを取り入れることで、音楽の動きを視覚的にイメージしやすくする工夫も施されています。このようにして、1950年代に「バーナムピアノテクニック」が生まれたといわれています。
バーナムピアノテクニックでは、小さな子どもでも楽しく取り組めるように、短くてシンプルなエクササイズが特徴で、「導入書」「ミニブック」「グループ1〜4」と進む構成になっており、主に初級〜中級者向けの内容となっています。
バーナムは、子どもたちが無理なく自然にピアノの基礎を身につけられるように、「遊びの要素」を取り入れた短い練習曲を考案しました。エクササイズには「スキップしよう」「かけあし」「おじぎ」など、動きをイメージしやすいタイトルがつけられていて、音楽と体の動きを結びつけながら学べる工夫がされています。さらに、棒人間のイラストを取り入れることで、指や手首の動きを視覚的にイメージしやすくしているのも特徴です。
この教材はアメリカで高く評価され、これまでにないユニークなピアノ教本として注目されました。やがて世界中に広まっていき特に日本では、1980年代以降、ピアノを始めるときの定番教材として多くの先生や生徒に親しまれるようになったそうです。
今日はバーナムについてでした⭐︎
米国ピアノ指導者団体
ACM日本支部
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